DIYブログ
2022.6.24
ビスは木工をするときに欠かせない道具です。
ホームセンターなどDIY用品が置かれているお店に行くと、たくさんの種類のビスが並んでいます。それだけに、「どれを選べばいいか分からない・・・」と悩んだ経験がある方は多いと思います。
どれも同じように見えるかもしれませんが、長さ、形、太さなどよく見るとそれぞれ違いがあり、特徴も異なります。そのため、ビスを買うときには自分が作りたい作品に合うものを選ぶ必要があります。
もし、合わないものを選んでしまうとビスが外側に突き抜けたり、上手く接着できなかったりと色々な不具合が生じてしまいます。
そこで、今回は木工DIYで使うビスの種類や選ぶときのポイントを詳しく解説していきます。いつもビス選びに困る、これから本格的に木工をしていきたいと考えているという方はぜひ参考にしてくださいね。
ビスには様々な種類があります。今回はその中から特に木工DIYで使われることが多い3つのビスを取り上げ、特徴やメリットをご紹介します。
コーススレッドとは「粗いネジ」という意味です。ネジ山が粗くて深く、木材を切りながら下へと食い込んでいきます。
少し太いため、下穴を開けた上で打つことで木材が割れるのを防ぐことができます。
パイン材、スギ、ベニアなど柔らかい木材を使うときに向いています。
コーススレッドを細くしたような見た目のスリムビスは、ネジ山が浅く、間隔が狭いのが特徴です。
下穴を開けなくても木材を割ることなく打ち込めるのが魅力です。
ただし、細いため強度がコーススレッドに比べると弱く、少し動いたりすることもあります。自分用が使う物やちょっとした小物を作るなら十分です。
鉄板、アルミ、樹脂などに使うビスです。打ち込むときには下穴を開ける必要があります。
コーススレッドやスリムビスの代わりに使うことはできますが、木材同士を接着するのには基本的には向いていません。なぜなら、年月が経ったときに木痩せに対応できず、接合の力が弱くなってしまうからです。
ただし、木材とそれ以外の材料を締結させたいときには向いています。
ビスは材質にも違いがあります。こちらもそれぞれ特徴が異なるので、木工DIYをするならビスの材質の違いについてもぜひ覚えておきましょう。
ユニクロメッキなどの鉄のビスはステンレスに比べると安価です。
比較的柔らかいので長いものを打ち込むときには折れないように特に注意する必要があります。
さらに、錆びやすいという特徴があるので、湿気が少ない室内で使いましょう。ただし、最近は錆びないように加工している鉄のビスもあります。
ステンレスは鉄に比べると丈夫で、錆びにくいという特徴があります。
そのため、室内で湿気の多いところや、ウッドデッキや小屋など屋外で使用する際に向いています。
ビスをよく見てみるとネジの頭までネジ山があるものもあれば、途中で途切れているものもあります。
木工用のビスについて語る際に欠かせないこの2つの違いをまとめました。
まず、ネジ山がネジの先端から頭まで続いているものを全ネジと言います。
最後までネジ山があることから、打ち込むとどこまでも進み、最悪の場合は木材を割ってしまうことがあるので注意が必要です。
接着したときの強度が高いというメリットがある一方で、打つ際に木材の間に隙間が空いているとそのまま固定されてしまい、密着させることができなくなってしまいます。
クランプでしっかり材料同士をくっつかせた上で打ち込むと隙間が空くのを防ぐことができますよ。
半ネジに比べて短いものが多いので、薄い材料同士を接着させる場合は全ネジしか選択肢がないことがあります。
ネジ山が先端から半分、もしくは3分の2程度までしかなく、残りはネジ山のないツルツルな表面になっているものを半ネジと呼びます。
全ネジは木材同士の隙間が空いているところに打ち込むと直すことができませんが、半ネジは隙間が空いていてもネジ山がない部分が空回りすることでネジ山がある部分が入っている木材が引き寄せられるため、密着させることができます。
木材同士を接着させたいときには基本的に半ネジの方が向いています。
ビスは長ければ長いほどよく固定されて安心だと思っていませんか?
実はそうとは限りません。なぜなら長すぎると外側に突き抜けてしまうことがあるからです。
つまり、ビスは外に突き抜けず、且つしっかり固定できる長さを選ばなくてはいけません。
これから適切な長さを判断する方法を2つご紹介します。
まず、1つの基準として、接着したい木材の2〜3倍の長さのものを選ぶという方法があります。
例えば、木材の厚さが20mmなら、40〜60mmのビスを選べば良いということです。
もう1つの基準は材料の厚さプラス20mmです。20mmほどネジが食い込んでいればしっかり固定することができます。
ビスの頭はそれぞれ形状が異なっていて、使用用途も異なります。
今回は木工用のビスに多い頭部の種類を3つご紹介します。
木工用のビスにとても多い形状で、頭が平らになっています。そのため、打ち込んでも頭が材料から飛び出ません。頭が出ると困るところに使いましょう。
なべ頭はその名の通り、鍋を逆さまにしたような形になっていて、皿頭とは違って、打ち込むと頭の部分がしっかり見えます。敢えてネジ頭を見せたいときなどに使えます。
金属プレートのような木材以外の薄い材料を固定したいときに向いています。
頭が少し丸く盛り上がっていて、打ち込むと頭の部分が見えます。ネジ頭が出ていても問題ないところに使用します。
木材との接着面が大きいため、しっかり固定されるのがメリットです。
作りたい作品に合ったビスが選べたら、あとは綺麗に打ち込むだけです。
最後に、木工DIYでビスを使うときに気をつけたいポイントをまとめていきます。
何もせずにビスを入れると木材が割れてしまうことがあります。
それを防ぐためには下穴を開けましょう。ビスを打つ場所にあらかじめ小さな穴を開けておくことで材料が割れるリスクを減らせます。
このとき、穴が大きすぎると接着が甘くなってしまいます。
そこで、ビスの胴体と同じ、もしくは一回り小さい大きさのドリルピットを使って穴を開けましょう。
ビスを入れるときは木材に対してまっすぐ入れることを意識してください。斜めに入ると材料が割れやすくなりますし、ネジの頭が飛び出してしまって見栄えも悪くなってしまいます。
最初から一気に垂直に打ち込むのは難しいので、初めはゆっくり動かし、まっすぐに入ったところでスピードを上げて打ち込んでみてください。
木材の端にビスを打つと材料が裂けてしまうことがあります。
そのため、端は避けてできるだけ、真ん中や内側に打つように心がけてください。
どうしても端に打たなければいけない場合は、下穴を開けることで少しでも割れるリスクを減らしましょう。
軍手や手袋は手を守ってくれるものですが、ドリルなどの回る電動工具を扱うときにつけるのは危険です。
なぜなら回転に巻き込まれてしまう可能性があるからです。
ドリルでビスを打つ前には必ず軍手や手袋を外すようにしましょう。
ビスとは小さなネジのことで、材質、長さ、頭部など色々な違いがあります。
それぞれ、メリット・デメリット、向いている材料などが異なるので、作るものに合ったものを選ぶ必要があります。
最初のうちはたくさんの種類のビスを前にしてどれを選べば良いか迷ってしまうかもしれませんが、慣れてくるとすぐに判断できるようになります。
ぜひ、DIYをする中で様々なビスに触れて使いこなせるようにしましょう。