DIYスクール選び
2022.5.18
木工教室は、DIYや木工の技術を身につけられる場所です。木工教室を探す人は、「不器用だから基礎からきちんと教えてくれるところに通いたい」「プロのやり方を身につけてスキルアップしたい」など、いろいろな思いや目標を抱いています。
ただ、ひと言で木工教室といっても、教室によって学べる内容が違うことをご存じでしょうか?
自分が身につけたいことを教えてくれる教室を間違いなく選べるよう、ここでは「自分に合った木工教室の選び方」をご紹介します。
教室やカルチャースクールに通うときに、多くの人がまず重視するポイントは、「自宅や職場から近いこと」です。確かに、仕事や家事をしながらわざわざ時間を作って定期的に通うのは大変ですよね。通いやすさは重視すべき要素のひとつです。
ただ、近くにあって行きやすいことは、あくまでもメリットのひとつに過ぎません。
こんなふうに、「教室へ行こう」と考えるきっかけは人それぞれです。それなのに、近さだけで木工教室を選んでしまうと、ミスマッチが起こりやすくなります。ミスマッチというのは、たとえば「家具のデザインや設計図の引き方から習いたいのに、工具の使い方しか教えてもらえない」「制作するものがあらかじめ決められていて、作りたいものが作れない」といったことですね。
こうなると、わざわざ勉強しにいく意味が薄れてしまいます。
近くの教室に行く前に、少し考えてみてください。木工教室のようなカルチャースクールは、毎日通うわけではありませんよね。多少遠くても、やりたいことがやれる教室、つまり自分の思いや目標に合った教室のほうが最終的な満足度は高くなります。
木工教室を選ぶときは、教室の指導内容と自分のやりたいことが合っているのが大切ということをお伝えしました。
ただ、これだけだと「指導内容の見分け方が分からない」という悩みが出てきますよね。ここではより具体的に、教室選びの目安となる大切な3つのポイントをご紹介します。
1つめのポイントは「木工の工程のうち、どこからどこまでを学べるか」です。
棚や机、椅子などの木工製品ができあがるまでの過程は、大きく分けると次の4段階になります。
木工は、何を作るかを決めて材料を入手するところから始まります。でも、いきなりホームセンターに行っても、何を買ったらいいのか迷ってしまいますよね。そのためにまず、作りたいものが決まったら設計図を描き、どんな材料がどのくらい必要かを計算してから購入します。この段階が木取りです。
買ってきた木材をカットしたり、穴を開けたり、紙やすりでやすりがけをしたりしてパーツに加工します。
加工したパーツを組み立てます。木工キットを使った作品づくりでは、ここからスタートすることがほとんどです。
塗装を行います。ここでの作業によってできばえが違ってきます。見た目をよくする(クオリティーを上げる)ための工程です。
この4段階のうち、どこからどこまでを教えているかは教室によって異なります。
たとえば、「キットを使います」と書かれている教室では、あらかじめ設計図や材料が用意されているので、学べるのは「(3)組み立て」や「(4)仕上げ」のみというケースが少なくないのです。
つまり「自分で設計した棚を作りたい!」という人には、キットを使う教室は不向きなんですね。本当に欲しいものを一から設計して作りたいと考えている人なら、「(1)木取り」から「(4)仕上げ」までを体系的に学べる木工教室が向いています。
反対に「作りたいものは浮かばないけれど、工具を使ってみたい」「何でもいいので完成させて、自信をつけたい」という人なら、まずキットを使った教室に行ってみるといいかもしれません。木工キットはサイズやデザインがあらかじめ決まっているので、初心者や未経験者でも取り組みやすく失敗しづらいというメリットがあります。
木工教室を選ぶときは、「この4段階の工程のうち、どこからどこまでを学びたいのか」を考えておきましょう。
2つめのポイントは「自分が作りたいものが作れること」です。
「作りたいものが特に決まっていない」「何でもいいから作ってみたい」という人なら、キットを使った教室を選ぶのも悪くありません。
ただ、木工に取り組んでいる人のほとんどは、明確に「こんなものが作りたい!」という思いを持っています。さらに技術が身についてくると、「もっと工夫してみたい」「難しいものにチャレンジしたい」という意欲が湧いてくるんですね。
「本当はこういう家具が作りたいけれど難しそう」「初心者にはできないのでは」と最初からブレーキをかけてしまうのは、非常にもったいないことなのです。
木工教室へ通う前に、自分が本当に作りたいものをイメージしてみてください。そうすることで、手軽なキットを使う教室がいいのか、それとも時間はかかっても設計や木材の選び方から分かる教室がいいのか、自分にとっての「理想の木工教室」がおのずと見えてきますよ。
3つめのポイントは「満足いくクオリティーを目指せること」です。
木工の基本である棚づくりに絞ってみても、「見た目はシンプルでいいので、初心者でも失敗しないやり方で作りたい」「工夫してカッコイイデザインのものを作りたい」など、作り手ごとに最善の方法や目的が違ってきます。
経験があり、ある程度の技術が身についている人は、初心者向けのそこそこの作品が作れる教室ではもの足りないですよね。
それに、木工やDIYをしていて「家具を作ってみたけれど、家族にいらないと言われてしまった」なんていう切ない思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。
これを防ぐ一番の方法は、クオリティーを上げて誰もが欲しがるようなものを作ることです。そうすれば「作る楽しみ」も「使う楽しみ」も両立できます。
ハイクオリティーな作品を作るためには、実績やノウハウを持った講師に相談できることが重要になってきます。講師や生徒が実際に作った作品が公開されているなら、ぜひチェックしておきましょう。
木工教室を選ぶときは、近さや通いやすさだけなく、ここでご紹介した3つのポイントも考えてみてくださいね。
このポイントを押さえておけば、自分にぴったり合う教室が見つかるはずです。